+ 子宮がん

子宮がんには、子宮頸部に発生する子宮頸がんと子宮体部に発生する子宮体がんがあります。

最近では、生活様式の欧米化にともなう、高脂肪高カロリー食の摂取や、
運動不足から肥満体質の人が増えたためか、子宮体がんが増加しています。
子宮頸がんと子宮体がんの比率はおよそ3:1となっています。

子宮頸がんの原因として、セックスによって感染するヒトパピローマウイルスの関与が考えられています。
セックス開始の低年齢化により子宮頸がん発症の若年化が進んでいる現状があります。
「私はまだ若いから子宮がんは関係ないわ」と言ってはおれません。

子宮頸がんと子宮体がんのいずれも初期には全く症状のないことがあります。
最初の症状としては茶色や褐色のおりものの増加・不正性器出血や性交後出血などがあります。
このような症状がある方はもちろんのこと、自覚症状がなくても 1年に1度は検診を受けることが望ましいと言えます。

子宮頸がんの検査には、子宮の入り口周辺を綿棒などでこすって細胞を採取し、
染色して顕微鏡で観察する細胞診を行います。検査に伴う痛みはほとんどありません。

子宮体がんの検査は、月経以外に不正性器出血がある女性で、検査が必要と思われる場合に行います。
実際には内診と超音波検査により、子宮の状態を詳しく観察して、
がんの可能性が疑われるときに細胞を採取して検査します。
エンドサーチ(直径2mm程度の、細いストローのような器具)などを子宮内に挿入して細胞を採取します。
子宮頸がん検診がほとんど痛みを伴わないのに対して、子宮体がん検診は多少の痛みを伴います。

細胞診では異型細胞(がん細胞や前がん細胞)があるかどうかで、評価を行います。
異型細胞が見つかった場合は精密検査が必要になります。

子宮がんと診断されても必ずしも子宮を摘出する必要があるとは限りません。
年1回の検診を受けていれば、進行がんで発見されることはまずありません。
特に子宮頸がんは、定期的な検診をお勧めします。

おりもの、不正性器出血など少しでも気になる症状のある方は早めに受診される事をお勧めします。
癌検診は原則として保険診療でうけることができます。